貝寄風やコンビナートの炎吐き
かつての白砂青松の渚が何キロも沖に引いている。
海岸がどんどん埋められて、その埋め立て地には工業団地が広がり、日夜を問わず発電所の煙突が炎を、製鉄所や石油コンビナートが煙を吐いている。そこで、人の生活圏との間にはクッションとして広い緩衝地帯が設けられ、新幹線が通ったり、高架の高速道路やモノレールが走り、渚はますます人から遠くなった。
なかには、レジャーランド、ビジネスゾーンとして海外含めて多くの人がやってくるエリアやマンション群もあるが、人の生活圏としては実感が薄いかもしれない。
東海道五十三次に描かれた渚のほとんどはコンクリートに固められ、いまや自然のまま残された海岸線というのはどれだけ残っているだろうか。