ボトルメール

貝寄風の瓶の手紙を持ちきたる
貝寄風の届ける瓶の便りかな
貝寄風の足許さらふ砂丘かな
一夜さの貝寄風なせる砂丘かな

「貝寄風」は関東の人には馴染みが薄いかもしれない。

という私すら歳時記で初めて知る季題である。
ホトトギス歳時記によれば「大阪四天王寺の聖霊会(陰暦2月22日)の舞台に立てる筒花は、難波の浦辺に吹き寄せた貝殻で作るというところから、この前後に吹く西風を貝寄(かいよせ)という。」。冬が終わり、春に吹く強い西風と解釈してよいだろう。
舞台の筒花という写真がないかウェブでいろいろ検索したがどうもヒットしない。だから、今でも貝殻で作っているのかどうか、これは実際の聖霊会(今は4月22日)で確かめるしかなさそうである。住吉さん、四天王寺とも今までお参りしたことがないので、今年あたり行ってみようかと思う。

“ボトルメール” への2件の返信

  1. 由緒ある法会に因んだ季語なんですね。大阪に出張で通ってたときあわただしいながら四天王寺&住吉大社は行きました。またじっくり行ってみたいです。

    春に吹く強い西風というと明石の入道が現れて源氏を須磨から明石へつれていく段を思い出します。源氏がどん底から這い上がることになる春の嵐でした。

    1. 須磨の嵐は当ブログ駆け足で(2012.4.3)でも示唆をいただいてますね。あれは旧暦3月13日(上巳の日)ですから、貝寄風の時期よりさらに春が深まった頃の強風なんですね。上巳と言えば宮中の「上巳の節句」と雛遊びが結びつき今の雛祭りになったとされてます。
      春にはほかに「涅槃西風(ねはんにし)」という西風もあり、これは極楽浄土から吹く風ですから西風と言ってもいろいろあって使い分けが面白そうです。

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