腰痛

こしかたを眼下に眺む忘れ花

木のあいだから平群谷が見える。

落葉樹はあらかた葉を落としたので、それをいただきに山道へ入った。おおかたは櫟のようである。
黄色い収穫用ケースに二杯、さらに75リットル入りポリ袋六分目ほど。これを畑の空いた場所で腐葉土を作ろうというのである。
youtubeなどを参考に、こうして作る腐葉土を夏野菜の苗作りに利用するのが目的である。
いまやこのようなノウハウが簡単に手に入る時代となって、論より証拠の実例を目の当たりにできるので心強い。
比較的時間のある今こそトライアルする価値があるだろう。
ただ、スコップで落葉を何度も掬ったせいか腰が微妙に痛いときた。悪くならなければいいが。

草木もほける

返り花散るを忘れて雪柳

雪柳が花をつけたまま年を越してしまった。

葉ごと枝全体が茶色に化して、それはきれいな末枯れぶりだ。
それにしても変な年である。ブルーベリーの一本も紅葉したまま葉を落としていないし、枯れるものが枯れないで、散るものが散らないで。年末の寒波があったとは言え、やはり全般に暖かくなったのであろうか。

風を避けて

おんな坂選りてすみれの返り花

小春ともなれば返り花が見られる頃。

意外な花が、意外な場所で狂い咲くのを発見すると思わず足を停めることになる。
お参りの急階段を避けて遠回りの道を選んだら、返り花のご褒美にあずかったという構図である。
それも、女坂に相応しく小さくて、下手すれば見落としかねない菫を取り合わせてみた。風を遮るような石垣の間にでも顔を見せているのが想像できるだろうか。

再挑戦

文集に昔の吾や返り花

昔仲間と書いた会報が散逸していたのを再び集約して再発行したものが届いた。

仲間とはある大先生を慕う会で、年に一回会うおりそれぞれ近況を寄せ合って会報としていたものだ。その後先生が亡くなられたあとは集まることも少なくなって会報も途絶えている。
読み返してみると、自分の年々の仕事内容やら考えていたことなどが書かれていて大変懐かしい。しかも、自分でいうのも変だが、今読み返してみても己が書いたものとは思えないようないい文章を書いていることに驚く。

引っ越しの際かなりのものは処分してきたが、先生の書かれた詩集はすべて手許にある。もう一度読み返してみたら、今ならもっと理解できるかも知れない。