ぽっくり往生

逝く春や馬券買うたも忘れたと

悲しいかな何割かの確率で人は認知症を患う。

友人の訃報につづいて同期では最も若い(早生まれの)友人の消息が流れてきた。ここ一二年そんな話は風の噂に聞いていたが、重ねて聞くと遠い人になってしまうのかと気が重くなる。
直接死因となる病でもない認知症だが、死因のうち最も高い割合とされる癌同様できれば避けたいと思ってしまう。
隣の斑鳩町にはぽっくり往生の寺と知られる吉田寺きちでんじがある。
開祖恵心僧都が母に魔除けの祈願をした衣を着せたところ、なんの苦しみもなく往生したというところから、高齢者のお参りがたえないという。

身近に蔓延

グラフ見ぬ一ㇳ日もなくて春逝ける

今日も感染者5名。

当町のデータである。半径2キロもない小さな町で、人口1万超。
先週にも5人の日があったので、それだけで二桁の感染者数である。もしかしたら向こう両隣、あるいはすれ違うひと、前を通るバスの乗客にも隠れ感染者がいるかもしれない。それほど身近に恐怖を感じる数字である。
大阪では今月末には重症者が倍の500人に達するという試算もある。こうなるともう手がつけられない状況となって関西圏は大パニックとなろう。
感染症には検査と隔離。昔からそうと決まってる。これ以外に対策はない。
五輪やりたさ、利権に執心するあまり感染対策を先延ばししてきたつけを結局国民が負わされることになるのだ。
死ななくていい命がいくつも奪われて行く。やりきれない思いだ。