れんげうの寺

在五像厨子開かるる春の闇

昨日の続き。不退寺にて。

重文の聖観音像はじめ文化財が多いためか、堂内は扉一枚の出入りで暗い。
そのうす暗いなかで住職自らが解説する声が大きく響く。
在五朝臣制作とされる本尊の聖観音像、在五朝臣画像とも厨子に納められているが、画像の方は春と秋だけ特別公開となっており幸運にも訪問したときはご開扉されていた。ただ堂内全体がうす暗いうえに大きくはない厨子の中はさらにうすぼんやりと定かには見えないのである。
雰囲気としては筆をかざして思案中のようであるようにも見えるのだが。

いただいたパンフレットにある通り、今はちょうど本堂を取り囲むようにレンギョウが盛りである。
堂縁に腰掛けて庭に迎えば、大きな庇がレンギョウの明るい黄色に照り映えるように明るい。

れんげうの花の明りの堂庇