音頭取り

宮入のかしられたる里祭

町のあちこちで通行規制がかかる。

今日は龍田大社の例大祭で、町内各地区のお宮から練りだした太鼓台を中心とした楽車だんじりが大社に勢揃いする。
それが終わると、今度は大人子供勢揃いで楽車を曳きながらもとのお宮に戻る。午後三時頃から各楽車が四方八方に練るので午後五時頃までは通行規制が続く。
ただお宮に戻るだけではなくて、地区をくまなく練るので坂の多い地区では思い楽車を曳くのは大変である。ハンドマイクを持って大声で進行を仕切る頭の声はもうがらがらで、宮入する頃には息も絶え絶えといった風情。挨拶も何を言ってるのか分からないくらいしわがれている。
無事にお宮に戻って無事庫入りする頃には辺りはもう暗くなろうとしている。すると世話役の音頭で乾杯のあと盛大な打ち上げ式で産土の宵は更けてゆく。

大和の巫女

代々の大和巫女舞ひ里祭
竜田道幟の綺羅や里祭

昔の竜田道あるいは信貴山道に沿って古い家並みが続く。

そこには、どの家も門柱に真新しい幟幡を掲げている。
今週末の龍田大社の例大祭に合わせた在の秋祭りを告げているわけだ。八幡さんあり、素戔嗚尊さんあり、在によってそれぞれ違うがほとんどが宮座衆によって守られてきたお社だ。
当屋といわれる代表が祭をしきるので神職は不在だが、ここ大和では同じ巫女さんがあちこちの杜で神事を執り行っている。いかにも霊力のそなわった雰囲気で、湯立神事や神楽を舞う。テレビでも、各社の行事があるたびに「あ、またあの巫女さんだ」ということが多い。
関西、とくに大阪などでは昔から霊性の強い巫女さんに占ってもらったり、祈祷してもらったり口寄してもらったりという俗信的な慣習があったが、それとよく似た慣習がここ大和でもあるということだろうと勝手に推測している。