何度も何度も

間引菜をつつむがことく掌に

大根や人参など間引菜の採れるシーズン。

大根などはそれが楽しみで、筋撒きの密度も高く種を蒔いている。種を一袋買えば二、三百本ほどもできる計算になるので、どうせ余るならと言うこともあってばらまくようにして蒔くのである。最終的には二、三十センチ間隔にまで間引きをするわけでいやでも香ばしい間引菜が摘める。
間引いたばかりの野菜はとても柔らかく、乱雑に扱えば簡単に折れてしまったり、高い体温で握れば新鮮度も失せてしまう。パリパリの間引菜を持ち帰るためには大事にだいじに扱うことが大事。
とりあえず今日は人参の間引き。柔らかい葉っぱはかき揚げや天麩羅が香りも高くてほんとうに旨い。大根もそうだが、人参も大きくなるまでに何回も間引き菜が楽しめるのが秋の畑である。

しゃきしゃき

間引菜のかろき辛みの鼻に抜け
間引菜のひげ根もろとも椀に浮く

プランターの大根が順調である。

すでに二回間引きして、いよいよ最後の間引きのタイミングを計っている。
一回目は発芽してまもない双葉のとき、二回目は本葉二、三枚の頃。
プランターの野菜培養土は目が細かいので、ひげ根ごときれいに引き抜けるが、順調に育っているとみえてそのひげ根にも土がびっしりとついている。できるだけ全部いただけるよう丁寧に洗い落とし、その夜の鍋ではほんのひとくぐりさせてしゃきしゃきのままをいただく。すでに大根の風格を帯びていて、香りはもちろん辛みも鼻に抜ける爽やかさ。
指南のウェブサイトによると、三回目の間引きは本葉五、六枚とあるのであと二、三日だと思うが、その時には根もしっかりと骨格をなしているはずだ。
もう一度、間引き菜のしゃきしゃきを楽しんだら、いよいよ大根の独り立ちだ。