スリット窓

窓枠の影歪みゆく閨の月

夜中に尿意をもよおして気がついた。

すっかりあきらめていた名月だが、あれは3時頃だろうか寝屋のスリット窓からはっきりと月光がさしていたのだ。
月はすでに傾きかけているので、四角の窓の影が間延びしたようにいびつに落ちている。
部屋に戻って窓により見上げたらうすいながらもはっきりと円い名月が空にある。
得したような気分になって蒲団に横になったらすぐにまた眠りに落ちていた。