殺風景

雛の日の畳のかへす日のやはら

和室にいると光が柔らかく感じる。

お隣が建ってから朝の日当たりが悪くなった部屋だが、さすがに弥生三月ともなると日が高くなり明るく照らすようになった。日向を求めて猫どもも移動するし、飼い主も日向ぼこりとばかり胡座をかいて何するわけでもなく時間を過ごすようになった。
雛人形を飾ることもない部屋は殺風景だが、それなりに優しい時間が流れている。