団地サイズ

雛壇を知らぬ公団育ちかな

我らが団地と言えば公団で、2DKが標準だった。

畳の部屋はあるものの、規格も団地サイズというものがあって京間、江戸間とは別に公団間とも言われ、若干狭めである。
公団2DKとなると子供が生まれれば大変窮屈なもので、それこそ雛壇など設えるスペースなどは無理であった。
雛飾りもおのずからコンパクトなものになり、男びな女びなのセットを箪笥などの上に置いたりして、いわば置物同然であった。
一戸建てに移ってからも、おひな様はそのままで、やがていつからともなく飾ることさえ忘れられている。