冬の旅

雪晴れて湯宿へのぼる雪上車

今日の兼題は雪晴。

雪のない土地の人間にとっては、過去の旅のかすかな記憶を頼りに詠むしかないのであるが、一番の思い出は蔵王麓の峨々温泉。着いた日はとんでもなく荒れた日で、名物のボンネットバスを楽しむどころではない。宿へは七曲がりの山道をゆくのであるが、猛吹雪の中をカーブごとに警笛を鳴らすのである。
明朝は見事に晴れて大好きな露天風呂へと向かったが、大半が雪に溺れて温くて入れたものじゃない。
旅にはハプニングがつきものだが、朝の水出しの珈琲のサービスにいやされるのであった。
掲句は、信州・高峯温泉へのアクセス。ゲレンデ脇を雪上車の送迎で稜線の宿にたどり着く、これまたワイルドな旅。
雪の季節の旅はそれぞれ深い趣のあることが多い。