上皇ご夫妻

自転車道碧く塗られて青葉風

久しぶりに斑鳩方面へ出かけた。

平坦でだだっ広く、基壇部分だけ高く盛られただけの元中宮寺跡には何棹もの鯉幟が初夏の空を泳いでいる。
手許の気温計を見ると31度。真夏日である。ただ、湿度も高くなく、心地いい青葉風があるので窓を開けたまま走っていても少しも暑くは感じない。
道路が空いているからだが、夕方ニュースを見ると午前中には上皇ご夫妻が中宮寺を訪問されたとのこと。法隆寺前の松並木参道の両側にはおおぜいのお迎えの人たちが映されたが、その時間帯でなくてほんとうによかった。

快感

三速で坂を振り切る青葉風

久しぶりの晴れ。

しかも気温がぐっと上がって車の気温計は午後4時になっても29度を指している。ただ、湿度が低いようで窓を全開してもむっとするような風は入ってこない。むしろこの季節らしい風にいつまでも浸っていたいとさえ思える。
さらに、平群の長い坂はトップギアでは走れないのでシフトダウン走行の力強い加速がまた心地いい。若葉をこえて青葉となった周りの青い景色が飛ぶように去って行くのが快感である。
こんな日に窓を閉じて走るのはもったいない。

開山堂舎利会

身代わりの像の尊し青葉風
開山堂青葉映せる玻璃戸かな

今日6月6日は鑑真忌。

唐招提寺では「開山忌舎利会」と称して和上が請来した舎利を奉り、和上の徳を偲ぶ法要が営まれる。
この期間は3日間ほど国宝の鑑真和上像が公開されるが、普段は昨年完成した身代わり像を開山堂で拝顔することができる。
今年は句会があった日の翌日から特別公開だったようで、一日違いで残念なことであった。ただ、身代わり像は本物そっくりに模して造られており、袈裟の緋もいまだ鮮やかにのこっているのは驚きだった。開山堂ではガラス戸の向こうに全体がよく見えるようにお座りになっておられ、そのガラス戸には偏光フィルムを貼ってあるようで、外の眩しい光にもかかわらずクリアに見える。