マイブーム

昃ればすずき色なる鱗雲

いよいよ鵙の高鳴きのシーズンである。

あの特徴的な鋭い声の方を見やれば、大きな鱗雲が南の方から押し寄せてくる。
日を隠すかに雲が多いので、その鈍さはまるでスズキの肌を思い出させる渋い光りを放っている。
鉢の植え替え作業があるので雨がようやく上がって晴れるのを待っていたが、午前中はどんよりとしていて肌寒いので様子を見ていて午後になってようやく望んだ空になったのである。
今日のは軽い鉢だが、それでも3時間くらい屈んで熱中していたら腰に来る。
あとは楓の重い鉢が二つ残っていて、これは落葉を待って植え替える予定だ。
なおざりにしてた庭のものを本腰を上げて整備しようと言うのであるが、土に親しむのもコロナ時代のマイブームと言えようか。

山の向こうに

鱗雲山のあなたの日を映し

鱗雲が夕日を受けて金色に輝いている。

よりにもよって落日の彼方は台風21号による水禍に見舞われた浪花である。
澄んだ空に浮かんだまぶしい雲に難波津の惨状をまったくうかがいしれないのが悲しい。
当県でも被害は出ているが、その規模においては比べるまでもない。
ともあれ、台風一過とは言えないが、何となく秋の気配が漂ってきたのには一安心。
ただ、一時は聞こえた虫の声がいあまだ途絶えているのが気になっている。