鴉はほんとに賢いか

カムフラージュ見透かされたる鴉の巣

枝などを加えては目指す巣のある場所に飛んで行く。

たまたま見かけたのは、佐保川堤の桜で、枝を慎重に選ぶとあらぬ方向へ飛んでゆくが、10秒もすると戻ってきて巣へと持って行くのだ。
毎回同じ繰り返しをしているとところを見ると、どうやらダイレクトには運ばず、いったん「方違え」してから目指す場所に向かうらしい。
おそらく番の二羽が同じ行動をとるので、この見立てには間違いがあるまい。

鴉は頭がいいと言われているが、このように簡単に見破られようでは意外に抜けているところもあるらしい。

巣作り

枝くはへ鴉の巣にと編むならむ

築数十年の家だから庭木も相当大きい。

ここは城山台という、ここも信貴山麓の傾斜の厳しい住宅地で、世代の高齢化も進んだのだろうか空き家も目立ち始めている。そのうち一軒で、おそらくもう庭木の手入れもそれほどされてなくて、茫々になったままの古い柿の木の天辺で烏が枝を加えたまましきりに動いているのを見つけた。しばらく観察していると、どうやらその枝を頭を振り振りしながら千切ろうとしているのである。
やがて首尾よく50センチほどの枝を切り取ることに成功した烏は、それを咥えて住宅街の軒をかすめるように低く飛んでいった。おそらく近くのどこかに巣作りを始めたのだろう。

鳥にも猫にも恋の季節がやってきた。