生まれながらにして

脚力をまづはたまはり鹿の子かな

やはり草食動物なんだなと思う。

生まれ落ちたその数時間後には、もう鹿苑を駆けている。生まれながらにして天敵から逃れる足を持っているというわけだ。
生まれ落ちるという言い方がぴったりのお産シーンをビデオなどで見る。そのときは、今にも折れそうな四肢を踏ん張ってようやっと立ち上がるお馴染みのシーンが続くが、そのおぼつかない姿からは想像もできないくらいだ。
そういえば、乳を飲むのも立ったままだし、自立の脚こそ命の始まりなのだ。
人間の十月十日の胎内、ハイハイ、つかまり立ちを経てようやく歩みを覚えるスピードも対極的であるが、これはこれでまた愛しい。

出産ラッシュ

鹿の子の今朝生まれたに駈けており

一昨日奈良公園で今年最初の鹿の子が生まれたという。

報道陣の前で最初は緊張していたようだが、やがて本来の習性で駆け回る仕草は何とも言えず愛くるしい。
公園デビューまでにはまだ暫くあり7月とのこと。
妊娠母鹿を収容する鹿苑の予定では今年170頭あまり誕生予定とか。

可愛いからと言って安易に子鹿に近づくのは危ないそうだ。
やはりここでもas it is.