鳥の冬備え

えごの実を好みて寄れる命かな

名前の通り、食べてもえぐい。

鳥とか蝶とか、特定の食べ物を好むのがいるのも生物の多様さである。
えごのきの実を好んで食べるのはヤマガラである。
市街地ではちょっと見かけないが、いなかの森や林ではごく普通に見られる鳥である。大きさは雀ほど。
かなりの木はすっかり裸になってしまっあが、日当たりなどの条件の差だろうか、まだたっぷり実をぶら下げたえごのきを見ることができる。
ちょっと離れて見ていると、ヤマガラがやってきては実を失敬してどこかへせっせと運ぶ姿が見られる。
冬のために集めているのだ。
ヤマガラの冬備えである。

ドラミングを聞く

えごの実をしきりに運ぶ番かな

今日は秋のフェスティバルで馬見丘陵公園は家族連れで賑わっていた。

移動販売のワゴンや屋台の店も来ていて、クレープの店には行列もできるほど人が溢れている。
人混みをぬけると、いつもとは違う順路に出て、まずはエゴノキの並木が続く散策路に出た。
もしかして、その実を目当てに山雀が来ているのではないかと期待したからだ。
はたして、案の定というか、実が最後まで残っている一本に注目していたら、あの模様のはっきりとわかる山雀の番(と思われる)が前後してやって来た。一羽は実の軸を咥えてすぐさま飛び去ったが、もう一羽はなかなか飛び立たない。どうやら実を選んでいるようだ。やがてこれと決めたらしく一個を咥えて自分たちの森のなかへ消え去って行く。
一、二分待ってるとまた二匹がやってきて、実を咥えては森の中へ消えてゆく。
山雀はえごの実が大好物らしく、冬に備えるのだろうかせっせと森の中へ運んでゆくのが習性だと聞いた。

水鳥はまだあまり見かけないが、公園には小鳥たちがいっぱい来ていて、今日はコゲラが何羽もドラミングする様子を目撃することもでき、子供連れの家族に教えてあげたらたいそう喜ばれた。