避けて通れない道

検査なほ病名知らずうそ寒し
骨密度落つとふ電話うそ寒し

今年に入って知人が立て続けに病に伏している。

ひとりはこの一月から臥せておられたが、このほどようやく外出できるようになったとのこと。ただし、治療は継続して受けておられ、人との接触も遠慮されているようで、手放しでは喜べないようである。
また或るひとは、原因不明の目眩や発熱が続き、いろいろな機関で検査してもらったがいまだに病名が知れず、そのため本格的な治療にも進めないまますでに二ヶ月以上は経過している。
お歳はおふたりとも私と同じ七十代だが、この年齢になると体に変調がきたしても不思議ではない。
今日はさらに、家人の電話が聴かずとも聞こえてきたなかに「骨密度」というワードが聞き取れた。平均の半分のレベルまで落ち込んできたとのことで、心配でならない様子である。
人はみな誰もが老いる。誰もが避けて通れない道なれば、あらがってもどうしようもないことだって多くなるだろう。いつかこの身にも起きる、そのときになって慌てないよう、ふだんから修養するしかない。

おじさんの願い

ミスターラガー逝くは早けれうそ寒し

プロ野球ドラフト会議の模様をテレビで見た。

相変わらずいい選手がパリーグに多く流れていくような気がするのはひがみだろうか。
いくらいい選手を引き当てても育てられない球団とそうでない球団の差が段々見えてくるような昨今、かつて三大子供の好きなものの一つに例えられた某在京球団は、今やダサさにおいては日本一。おじさんがノスタルジアにひたるだけの球団とあいなった。実力と人気を両有するようになったパリーグのはるか後塵どころか、へたすればセリーグでもお荷物球団化しかねない。
ファンからも見放されそうな中京の某球団フロントとあわせ、一日も早く古い殻を脱ぎ去って、近代的経営のチームに脱皮してもらいたいと、おじさんはひとりで人一倍気を揉んでいるのだ。

ミスターラグビー・平尾氏の訃報が飛び込んできた。日本ラグビーが大きく変わろうとしているいま、早すぎる死である。