愛される神社

神降(かみたち)の山懐の笹子かな

拝殿のすぐ裏に笹子がやってきた。

神の留守とはいえ、拝殿につながる社務所には脱いだ靴がたくさん並んでいる。どうやら企業の安全祈願のために集まった人たちらしい。制服を着た人たちが、拝殿のなかで神妙に畏まって神主を待っているところに、ひと鳴きふた鳴きほどしてどこかへ行ってしまった。神主の祝詞の前の露払いみたいなものだろうか。地域全体が神さびている葛城では、生きているものすべてが何やら神の使いのような不思議な気持ちにさせられる。
一言さんは、願いは一言だけ聞いてくれるということで知られるが、境内には子授けにご利益があり、乳がよく出るという神木の乳銀杏もあってか、遠くからの若い夫婦や地元のカップルが目立つ。山の中腹の小さな神社だが、地元の人たちから大切に見守られている様子が見てとれた。

昨日今日と冬の季語が続く。暦でも立冬は間もなくだ。

“愛される神社” への2件の返信

  1. 由緒、歴史は異なりますが鳥羽相差の神明神社の参道にある石神さんも女性の願い事を一つだけ叶えてくれると言い伝えられています。
    先日の三重テレビ、斎王「幻の宮の皇女」の取材で女優の原田三枝子さんも訪れてお願事をしていました。
    笹鳴きは今頃の季節ですか、早いですね。

  2. 相差にはこの夏行ったのですが、この神明神社には行きませんでした。海女の浦だけに女性の神さんが祀られたのでしょうか。
    笹鳴きは冬ですが、早くも聞けて驚きました。

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