庶民の口

寄鍋に遅れし人へ蟹の爪
寄鍋の衆みな眼鏡かけしまま
寄鍋の世話する人の赤襷
寄鍋の酒も尽きたる饂飩かな

空はいつからか雪催い。

昼間から灯りをつけて炬燵から出られない。
こんな日は鍋にかぎるというところだが、今年はやたら鍋の出番が多い気がする。
ただ、葉ものが高くて毎日とはいかないらしい。
蛤に蟹など魚介たっぷりの寄せ鍋もいいが、これも自宅でとなると相当ぜいたくな部に入りそうである。
鍋と言っても、せいぜい水炊き、牡蠣鍋くらいが庶民の口に合いそうだ。
さいわい今年は広島の牡蠣がことのほかうまい。奈良のような山ぐにでも新鮮なものが食えるのはありがたいことである。

“庶民の口” への6件の返信

  1. 朝は厳しい冷え込みであったが日中は日差しが温かだった。

    押し迫ってから訃報が届いた。
    この地に新所帯を構えた頃からお世話になった方で子供たちとも馴染み深い。
    ご遺族の挨拶を聞くたびに亡き両親のことを思い出し切ない。
    お嬢さんばかりだったのでご長女のお連れ合いが喪主となられた。
    実の父親以上の想いがあるとの言葉に故人のお人柄を偲んだ。

    1. いい人ほど惜しまれて世を去られます。通夜の精進落としの席がそれを表していますね。故人の話題が次々とすすんで、なかなか去り難いことが何度かありました。

  2. 載せていただいた4句で和やかな鍋宴会の様子が細かく分かりました。さすがです。

    鍋を囲んでの団欒、いいですよね。最近色んな鍋用スープが売り出されてて楽しい。私はどちらかというと鶏が苦手なので豚ベースの野菜たっぷりカレー鍋なんぞが嬉しいです。

    1. 鍋宴会に遅れて着いてもちゃんと具材のいいところを残してくれたり、人の情けは嬉しいものでした。
      そんな昔を思い出しながらの発句でした。
      私も鶏はだめなので、タラなどの魚そして豚肉がメインです。とくに鯖が大好きなのですが、最近はあまりいいものが手に入らないようで。

  3. 12月18日
    当方にも一通の訃報が入りました。

    現役時代に親父のように可愛がっていただいた専務が101歳で亡くなられました。事実、実父も1年遅れの大正6年生まれ。世代的にも重なる年代です。

    時あたかも大正6年設立の現役時代の会社の創立記念日が12月18日です。
    100周年と忘年会を兼ねて北浜のホテルに有志が集まりました。
    その名を辰午会といいます。

    相場の格言に「辰巳天井午尻下がり」というのがあります。
    まさに天国と地獄を味わった業界と会社にふさわしいネーミングかと。

    親父も生きていたら100歳だったのかとしみじみ生前を思い起こしました。

    1. 実社会で親子ほど歳の差があっても、いろいろ可愛がっていただく先輩はありがたいものです。私も何人か尊敬する人がいましたが全員鬼籍に。
      なるほど「辰午会」ですか、その激流を泳ぎ切っての今日ですね。そのでんでいくと来年は「笑う」いい年?

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