花柊満ちてふたりの齢重ね
清楚で上品な香がただよふ。
今年もまた花柊の季節がやってきた。
花は咲けども最初の一週間ほどは香りと呼べるものは届かなかったが、この二三日ほどよい香りがあたりに漂う。
春の訪れは沈丁花、秋たけなはの金木犀と並び、初冬の柊の香りが三大香ではなかろうか。
とりわけて上品でいて嫌みのない香りといえば柊であろう。沈丁花の蒸せるような香でもなく、まちかどにあまねく広げる金木犀でもなく、柊はあくまでほんのりなのである。
少し離れれば香りがあることさえ気づかない奥ゆかしさが好ましい。しかも花期が長いこともありがたく、玄関に出るたびに深呼吸してしまうのである。
我が家にもさほど大きな樹ではないけど南天の隣にひっそりと柊がある。
先日白い小さな花をつけてるのを見つけたが香りがするほどでもなかった。
花も香りも主張しなくて地味なのかもしれない。
花の数が少ないときは近づいてみるといいかもしれません。それか咲ききる頃合いをみてまたお試しを。