二上山に開く病棟日脚伸ぶ
病棟に動けないでいるとよけい感じるらしい。
今日はまだベッドから起き上がる許可がおりないで、仰臥したままくくりつけのような状態の家人からLINEが来た。何もすることがなくただベッドに寝たまま時をすごすしかない身には、曇りがちでもそのように感じるのは自然なことだろう。
病棟から遠く南西に二上山があり、南面する窓からはなんの障害もなく夕日が二上山のあたりに沈むのをじっくり眺めることができる、なかなか景の広い眺めである。
むろん家人にはそんな感傷的な気分には到底なれないだろうが。
病棟の個室はたとえビップルームにいようと味気ないものである。
せめて外の風景が見えるのはせめてものなぐさめであろう、都会では滅多に見られない。
大和川沿いの小高い場所なので、南に金剛山、葛城山、二上山、南東に大峯の山々、音羽三山、多武峰など青垣の半分を一望できる絶好のポイントです。
テレビ、食事の他何の楽しみもない鬱憤を晴らしてくれるにちがいない眺めと言えます。