創作句

探梅行気づけば皆とはぐれをり

塀越しに見る梅の蕾もずいぶんしっかりしてきた。

近くには完成してずいぶんの年月になる住宅団地があるので、それぞれの家の庭木も立派なものがある。とりわけ、今の時分楽しみなのは、枝垂梅であるにせよ、普通の花梅、実梅であるにせよ、丹精込めた梅が果たして白なのか紅なのかを一本一本想像しながら歩くことである。
当地の開花は早くても半月ほど先になりそうだけど、その分探梅の楽しみもそれぞれにあっていいものである。

掲句は随分前に青梅梅林をハイキングしたときの光景を思い出しながら詠んだもの。みんなと出かけるのだが、それがいつの間にかいくつかのグループに別れたり、時には気づくと周りには自分以外には誰もいなかったりする。全くの創作だが、こんな作り方も当然あっていいだろう。

“創作句” への6件の返信

  1. 思い出しました!もう10年以上も前?
    今では恒例になった、ハイキング第1回目でしたネ?2月というのにコートの要らない位 暖かな日で、
    梅も少ないとは言え、その暖かさで膨らんでくれた様に記憶しています。「楽しい思い出」を共有し、思い出話が出来る仲間がいる、って最高!心が温かくなります! nao

    1. そうでしたね。途中蝋梅を見つけてはひとしきり話に花が咲いたこともありました。naoさんは仕事が入って途中までしかお供できない日でしたね。

  2. 玄関前の大きな甕に投げ入れしたお正月用の梅が少し膨らみ始めました。
    松の内が過ぎて松や南天、竹は始末したのですが梅と猫柳はもったいなくてそのままにしてあります。
    さて、何色の花が咲くでしょう?

    1. 窓を通してそそぐ日はもう春のものです。随分力が加わってきたような気がします。
      かしこで春の到来を告げていますね。甕の中の梅って意外に強いんですね。

  3. なるほど、写生句に対して創作句というのでしょうか。締切りが迫ると私なんぞ創作句を通り越して想像句になってしまいます。普段から小まめにメモっておかないと写生句はなかなかできません。反省はしてるんですが、、、。

    1. 外出するときは気づいたときにメモできるような手帳を放さずに持って出ます。材料だけでも書き留めておくとあとで使えるものです。
      「創作句」というのは私の造語ですが、こういう季題ならこういうこともあるだろうと想像して作るようなものです。掲句では「梅の花探しに没頭していてひとりはぐれてしまった」というポイントです。実際にはいくつかのグループに分かれてしまっただけなんですが、多少誇張したような表現です。句のポイントの「夢中」という語を直接使わないのが俳句作りのこつですね。このように兼題に従って作る場合は意識して想像を膨らませるようにしています。吟行の作句の作りやすさに比べれば苦手ではありますが。

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