寒紅をさして見舞いの客を待つ
男が女の病室に入るのは、どこかためらうものがある。
同部屋の人への気遣いも必要なのは無論だが、全くの無防備の女人に会うこと自体はばかれるのだ。
普通であれば、化粧もし、それなりの衣服をまとった姿しか見たことがない人の、一番見てはならない部分を見てしまうような申し訳なさを伴うのだ。
女の人だって、少しでも恥じらいを忘れていなければ、他人には病室の姿なんて見られたくないだろう。
だから、女の人の見舞には行かぬことに決めているのだが、家人などが入院した場合はやむをえず病室に入ることにある。
そんなときでも、なるべく他の人とは目を合わさぬようにしているが、それにも限度がある。
見ようとしなくても、痛々しい姿が目に入ってくることもあるのだ。
家人には冷たいと叱られるが、早々と病室を出るしかないのである。
お見舞いはなかなか微妙な感情ですね。
身内ならいざ知らず異性を見舞うのは相部屋、病状にもよりますが神経使いますよね。
でも病人の身に寄り添うのが何よりのお見舞いだと思います。
病人にとっては、見舞いのないのは寂しいけど、かといって度を超えるとかえって負担になったり。
親戚でも、普段顔を見せないのが夫婦揃って行ったりすると、そんなに悪いのかと思わせたりしないか。
ケース、タイミングとかいろいろ気を配らないといけないですね。