みちのくの林檎ひだりに黄金みぎ
みちのくの朱より紅き林檎かな
鳴子から峠を下って横手盆地に入った途端目を瞠った。
国道の右半分が黄金の波、左半分が林檎園である。
頃は9月の末だったか、刈り入れを待つばかりに首を垂れた稲穂が光り、誰も人の手の触れられてない林檎は黒を帯びた赤色をしている。国道は街中を抜けないから、そんな状態が延々と続く。
豊かな国だと思った。銘柄米「あきたこまち」の産地だから当たり前だといえば当たり前だが。黒光りしていた林檎の種類は何だったんだろうか。
視野いっぱいに黄色と赤の景色がひろがる、豊の羽後はいまでも鮮やかに思い出すことができる。
たわわに実った稲穂にこれまた紅色のリンゴ、色のコントラストもさながら豊かな実りの秋ですね。
リンゴの最盛期は映像でしか見たことがありませんが収穫期はさぞや目を瞠る光景でしょうね。
先日の初競りで岐阜のブランド柿「天下富舞」二個54万円で落札されたのにはおどろきました。
ご祝儀相場とは言え一口数万円とはね、いやはや・・・いったい誰の口に入るのやら。
岐阜の富有柿は有名ですが、そのニュースには驚くというより呆れましたね。秀吉の成金じみた悪趣味にも通じるような。
庭の柿で我慢しておきます。
三重に育った身には、稲穂やミカンの黄色はお馴染みですが、リンゴの赤が、たわわに実をつける様は、目の前にしても、にわかには信じられなかった。
それが信州での第一印象でした。
眼前に広がる赤と黄の壮大な景色。芭蕉もさぞかしびっくりしたことでしょうね。
三重でも南へ行けば、蜜柑の黄と濃い緑、海の碧が強い印象を与えてくれますね。
そう考えると、地域には地域の色というものがあるとみてよさそうです。当盆地の色は何と言えばいいでしょうか。
みちのくの朱より紅き林檎かな
「みちのくの朱より」が 好いですねぇ!
みちのくは 関西人にとっては 薄暗い風土。でも 実際に
訪れると 結構 彩り鮮やかな土地と感じます。でも みちのくが
朱とは! ほだかさん は どこで そう 思われたんでしょうね。
林檎と言えば、京都の陋屋を貸している女性が、毎年、福島の
リンゴ園で 「ゆだまりんご」と言う一口オーナーを主宰しており、
その林檎を家主の私どもに送ってきます。
ちょうど、今頃。
その林檎の紅いこと。
(そう言えば、今年はまだ 音沙汰がないなぁ・・・・。)
どんな赤よりも「赤らしい」自然な赤。木になっている林檎は磨かれてないので、うっすら幕がかかっているように見えますが、それでもなお濃い赤を覗かせています。これが目の届くかぎりずっと続いている光景というのは、東北ならではのもの。
林檎が遅れているという福島のフルーツロード、異変でもあったのでしょうか。