堂廂翳る格子のいぼむしり
半分ほど枯れている。
「蟷螂枯る」は初冬の季語。もっとも、蟷螂には最初から枯れ色している種類もあって、冬になったからと言って変色するわけではないが、ものみなすがれる中に生き残っていると目立ちやすくもなって、そのあわれを言う季語である。
秋篠寺の本堂は奈良時代のものとあって、屋根を含めて堂々としたたたずまいで南面している。おおきな廂が影を作るものの、やはり秋である。昼前後の日差しは堂壁の下三分の一ほどにさし込むようになった。日の当たる部分の壁、柱は秋の日差しにほんのり温かい。
秋篠寺の技芸天を詠んだ稲畑汀子の名句、
一枚の障子明りに技芸天
があるが、その汀子の句を天下たらしめた障子戸の格子に蟷螂が動かないでいるのだった。
秋篠寺は5年前結社に入会して初めての吟行にして、初の句会体験をした思い出深い場所だ。
悲しいかな、5年程度ではめだった句力の向上も感じられず、すごすごと元来た道を戻るしかなかったのであるが。
蟷螂ってあまり好きな昆虫ではないけど緑色や褐色もありますよね。
いろいろな呼び名がありびっくりしています。
5年以上も毎日欠かさず句を詠むなんて誰でも出来ることではありません。
それだけでもすごいと思います、自分では気づかないかもしれませんが確実に上達しているのではないでしょうか。
5000句目指して頑張って下さい。
一日一句もあしかけ7年半ほどになりますか、目標5000句のちょうど折り返し地点ですね。始めた頃ははるかに遠い道だと思いましたが、なんとかやってこれたのもみなさんの応援のおかげです。
目標達成の日まで、元気でいられることを願うばかりです。
引き続きよろしくお願いします。