栗大樹竹の侵すを負けてゐず
もう実は落ちてしまったようだ。
電車の窓からいつも見える山栗の大木があって、今年は実がいっぱい成っていた。
背後には伸び放題の竹林が迫り今にも飲み込まれそうだが、なんだか両足を踏ん張って背中で押し返しているようで頼もしくも見える。
あの大きな栗の木の下に行けばいっぱい拾えるだろうと思うが、他人の敷地に勝手に入ることもかなわずいつも見ているばかりである。
栗にはいろんな傍題があって、「虚栗(みなしぐり)」「柴栗(山栗)」「焼栗」「栗拾ひ」などその数を全部並べたら大変なことになりそうである。
最近テレビで知ったのだが、四万十川流域でとんでもなく大きく甘い栗が栽培されているそうだが、いまだ流通するほどの量は生産されず手に入れるのは難しそうである。
いっぽうで、ヨーロッパなどでよく見る焼き栗は山栗サイズであり、これもまたうまそうである。
てのひらに柴栗妻がのこしけり 石田波郷
こんな句が好きである。
栗料理、お菓子等どの栗も大好きですが面倒なことはこの上ない。
好きなものを面倒がっていてはどうかとも思うが食べだしたら止まらないのが天津甘栗である。
皮を剥くのにはコツがありこれを習得すれば難なく口に入るのも止まらない理由である。
全く別の話ではあるが秘境と言われるJR飯田線には為栗(してぐり)と言う栗のつく駅がある。
この飯田線には簡単には読めないちょっと変わった駅名が多い。
何年か前に一年半ほどかけて細切れに天竜川を諏訪湖から太平洋遠州灘に注ぐ213㌔を歩いた時、戻りに利用したのが飯田線の各駅。
栗の時期になると為栗駅を思い出すと共に天竜川の景色が浮かんでくるのである。
最近、妻が手首やらいろいろ痛めてるので栗料理から遠ざかってます。
言いつけられば手伝うこともできそうですが、胸にしまっております。
飯田線には珍しい名前が多いんですね。飯田線と言えば、前の土地で140円で横浜線~中央線~飯田線~東海道線~横浜線の普通列車の日帰り旅の話を聞きましたが、あれはどうなったのかな。一駅手前で降りるのがミソだと言ってました。