祝戸橋

溝蕎麦の水の交はるところまで
溝蕎麦の群れて水音やはらめる

玉藻橋は栢森、稲淵方面からの飛鳥川、祝戸のふぐり山からの湧き水、そして多武峰から流れ込む冬野川の合流点にある。
冬野川はとても小さな流れで飛鳥川の水量には及ばないが、川底は栗石が敷き詰められ大きな落差をもって飛鳥川に流れ込む。そのまさに落ちようかというあたりは流れもゆるやかで、祝戸橋の上から手が届きそうな場所にびっしりと溝蕎麦がおおっている。白い花のみごとな群落である。
観光客は玉藻橋やその先の稲淵などに気をとられて祝戸橋は見向きもされないが、その足もとには飛鳥らしい素朴な世界が広がっている。

“祝戸橋” への4件の返信

  1. 溝蕎麦?えっ、蕎麦の種類と思って調べてみました。
    季語で黒い球形の実が蕎麦に似ているため、溝蕎麦とよばれるらしい。
    どこかで見ているはずできっと気づいていないだけかもしれない。
    勿論、祝戸橋にも気づかなかった私です。

    1. 水辺に咲くものなのでその気にならないと見つからない花です。見つかれば、その群落がなんともけなげに見えて和みます。

  2. 溝蕎麦の水の交はるところまで

    「玉藻橋は栢森、稲淵方面からの飛鳥川、祝戸のふぐり山からの湧き水、そして多武峰から流れ込む冬野川の合流点にある。」まったく知らない地名が出てきて、ネットやgoogleで調べてみると、玉藻橋は、石舞台の南西にある万葉歌碑で有名と。祝戸は橋は載っておらず西に祝戸山頂があり、東へは多武峰に続いているようで、大海人皇子と鵜野讃良が通ったかの様な所で、興味がそそられました。
    溝蕎麦も、物知りのskyblueさんも御存知無かったようですが、これもネットで調べると、溝や用水路に淡く地味に咲く花で、その儚さ故か、俳句では多く詠まれておる由。知らなかったなぁ。(でも写真を見ると、実も含め、今までに、きっと目にしていると思います)

    1. 祝戸橋は検索しても出てこないような長さ5メートルあるかないかの小さな橋です。稲淵集落には中大兄や鎌足の師とされる南淵請安があったので、通った道かもしれません。

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