生乾き

種採って先祖に顔のたちにけり
種を採る親指の爪黒くして
晴天のこの日を選び種を採る

季語にいう種採というは一般に花の種をいうらしい。
たしかに花というのは春から夏にかけて咲くものがほとんどで、そこから種を採るといえばちょうど今頃の季節であろう。
いっぽう野菜はと言えば種類によって種採の季節は異なってくる。
大根や葉ものなど冬野菜を代表するアブラナ科に属するものは初夏のころ種をつけるものが多い。人参、玉ねぎなどもそうである。
かたや夏の野菜の代表とも言える胡瓜、茄子、トマト、オクラなどは秋まで十分熟させて種を採る。
スイカや南瓜などの実ものは食べたあとの種を採ればいい。
今日はたまたまプランターのニラの一本が種をつけたので採取したが、完全に乾いてないものも混じっていたらしく封筒にしまってもニラの匂いが消えない。ちょっと早かったようである。
このまましばらく乾かして菜園にまいてしまえば来春には定植に格好の苗となるだろう。

“生乾き” への2件の返信

  1. その昔、そういえば母も野菜から種取りしていたような記憶が甦った。
    笊の上に丁寧に種を並べて天日干ししていた。
    匂いの強いものほど乾燥の必要ありかもね。

    1. 植物というのは不思議なもので、その土地環境、生育条件に応じて強く働く遺伝子を記憶してるらしく、種を採り続ければ環境に応じて育ちやすく、健康な野菜になるらしいです。
      とくに葉ものは全国各地に伝統野菜としていろいろな種類があります。地域にあったものが生き残ったのかも知れません。

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