和の空気

病床に秋の陽散らす障子かな

障子を透かせた明るい秋日が病人の部屋に広がっている。

障子、その和紙の効果だろうが、秋の陽はまだまだ強いがその直射日光をうまく分散してくれて、部屋全体を優しく包んでくれる。これがガラス越しだとこうはいかない。和のもたらす穏やかな空気感というものに日本人はどれだけ救われてきたことだろう。
病人も穏やかに眠っているので妨害しないようにそっとその場を離れた。

“和の空気” への2件の返信

  1. 畳、障子等和の空間、とてもいいですね。
    我が家は畳も障子も一つもないのでなおさらに感じます。
    穏やかな日常の様子に癒される句です。

    1. 日々戦っているようなものです。それは、病人とともに病と戦っている自分がいるのですが、時には病人のわがままを受けきれない自分との戦いでもあります。そんなときふっと我に帰ることができるのが、こういう柔らかな、和やかな空気なのです。

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