旅愁

外つ国のいざよふ月を待ちわぶる

旅をしてなかなか暮れないことに驚くことがある。

サマータイムだからよけいに夜の時間が長く感じるのだろうか。
長い旅行ですっかり忘れていたが、昨日は仲秋の十五夜だったと聞くと今夜はぜひ十六夜の月を見たくなった。
そこで、アスパラガスを肴にワインを傾けながら、テラスでたっぷりと時間を過ごすのだ。
すると、ビルの間から月が顔出す頃には今日で最後になる旅をあと一日延ばしたくなるのかもしれない。

“旅愁” への6件の返信

  1. おや?
    「アスパラガスを肴にワインを傾けながら、テラスでたっぷりと時間を過ごすのだ。」とは・・・今 異国にいらっしゃるのでしょうか?
    サマータイム?ヨーロッパかも?どうぞ素敵なご旅行を!   nao

    1. 俳句での仮想旅です。
      俳句は心身ともどこへでも飛んでいけます。短歌のような説明は一切不要なので全くの自由です。俳句としての制約さえ守れば。

  2. 外国の人たちにも秋の名月を愛でるという習慣はあるのでしょうか(中国にはありそうですが)。あまり聞きませんね。やはりお月見は日本特有のものなんでしょう。私も海外暮らしの時は思いもしませんでした。7番歌の仲麿は唐にあって毎年故国日本の月を思い出していたのでしょうかね。

    1. 中国では月餅で代表されるように観月の風習はあったようです。唐代に始まるとか。
      日本でも万葉集に月を詠んだものが多いのですが、明らかに秋の観月とわかる歌はないように思えます。日本で観月の風習が定着するのはさらに後代、平安朝でしょうか。
      ただ、月を待つとか、月に対する物思い、しみじみとした気持ちというのははやくからあったようで、

      去年見てし秋の月夜は照らせれど相見し妹はいや年離る 柿本人麻呂 2-211
      山の端にいさよふ月を出でむかと待ちつつ居るに夜ぞ更けにける 不詳 7-1071
      心なき秋の月夜の物思ふと寐の寝らえぬに照りつつもとな 不詳 10-2226

      などが分かりやすいでしょうか。

      1. へぇ~、そうなんですか、仮想旅ね。
        私はてっきり異国の地と思い次はどんな句を披露して下さるかと思っていました。
        俳句って自由自在、宇宙まで行けそうでいいですね~。

        1. 時間も自由です。
          初夏に訪れた街のイメージを無理矢理秋にしてみました。ドイツでの白アスパラガスの旬て実は夏です。

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