短髪に

鯉口の業平模様松手入
親方も施主も二代目松手入
二代目の紺足袋さまに松手入
紺足袋に葉屑こぼれて松手入

法隆寺の立派な松は手入れを待つばかりに伸びている。

その伸びた枝葉には新松子(しんちじり)と呼ばれる青い松毬もすっくと立っている。
松手入れというのは、あの混み合った枝を剪定し、葉をむしる「もみあげ」と呼ばれる作業であるが、こうするとちょうど散髪屋で短めにカットしてもらった頭のように、さっぱりとした姿になって下から見ても空が透けて見えるようになる。

松の寺だけあって、すべての松の手入れを終えるにも時間がかかりそうだが、果たしてそれはいつ頃着手するのだろうか。「松手入」は秋の季語なので、近いのは間違いない。

“短髪に” への2件の返信

  1. 松の手入れはそう言う意味があるのですね。
    ご近所でも立派な門被りの松のお宅は今頃から年末にかけて
    手入れをされます。
    単なるお正月前の見栄えの手入れではないわけですね。
    秋の季語に納得です。

    1. 松は新芽の時期に形を整えるため、若芽をかく作業も行います。これを「緑摘む」という春の季語で季題「若緑」の傍題になっています。
      おそらく季語に取り入れられている植物で一番多いのは松でしょう。鑑賞だけではなくその手入れ、その花、その実(松毬)、その葉など様々な角度から取り上げられるなど、日本人の生活との深い関わりや美意識のありどころを示しているいるとも言えますね。

      追)まだありました。
      正月は松の内、松飾り。一年の始まりも松ですね。「門松立つ」で年末。
      松づくしです。

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