植生の効用

溝蕎麦の大河に注ぐところまで

信貴川というと大変立派な川のように聞こえるが、実際には小さな流れである。

信貴山の麓から大和川に注ぐまで、距離にするとわずか2,3キロ程度であるうえ、途中灌漑用にも溜められているので流れも細い。

大和川と言えばかつて汚染度全国ワーストワンだったが、生駒や奈良方面の住民の努力などで多少は改善されているがそれでもワーストファイブには入るだろう。原因は下水道普及率の低さである。
新しい住宅地では下水道も整備されてきてはいるが、いまだに汚水を直接川に流す家もあり、この信貴川も例外ではない。そのような一帯には悪臭も漂うが、大和川に注ぐ寸前にビオトープに誘導してこの水を濾過しているのが救いである。

さて、その信貴川であるが、決してきれいとは言えない川の両岸に、昨日の散歩で溝蕎麦が満開であるのを発見した。コンクリートで護岸された川にも土砂の堆積などがあると植生が芽生え、このような群落を形成するようになったのだろう。この群落も一種のビオトープと言え、何とか維持してもらいたいものだ。
こうした、ちょっとした工夫などが大和川の水質改善、保持に貢献するにちがいない。

“植生の効用” への6件の返信

  1. 溝蕎麦、初めて聞く名前です。
    検索してみましたがやはり見たことのない植物です。
    見落としているのかも知れませんがレンゲの花に似ていて葉は全く異なります。
    雑草と言えども浄化作用があれば大事にしたいですね。

    1. 時期的にはもう後期だそうですが、一面に咲いてました。
      栄養に富んだ水だからよく成長できたのかもね。
      この信貴川が大和川に注ぐ辺りは鯉がいつも群がっています。これも餌が流れ込んでくるからでしょう。
      付近は亀がいっぱい甲羅干ししたりカイツブリがさかんに潜ったり、ビオトープを拠点に青鷺一羽がテリトリーにしてます。
      見飽きないところです。

  2. 溝蕎麦の大河に注ぐところまで

    好い句ですねぇ。
    雑草なのに妙に気になるミゾソバが
    へばりついた先が 大河。
    大河とは、あの大和川。
    漢詩のような光景が浮かんできます。
    確かに大和川は 信貴川が流れ込む明治橋あたりが
    一番川幅が広くて堂々としていますね。
    カミサンの実家を訪れると、必ず、一日は
    関西線 (今は大和路線)で奈良に足を延ばしますが
    大和川(周辺)は 年々 きれいになり、
    貫禄が出て来たようです。 

    1. ご訪問ありがとうございます。

      当地のことをよくご存じですね。
      家から真っ直ぐ坂を降りると明治橋近くに出ます。対岸から振り返ると信貴山の御鉢。河川敷では鳥たちの観察、そして竜田地区、信貴山下駅を経て自宅へというのが短縮散歩コース。

      河川敷は外来の名の知れぬ雑草がものすごい勢いで繁茂しているに驚きました。

  3. そうですか、下水道普及率が低い。驚きました。古い群落、難しいところですね。

    溝蕎麦、当地は今が満開です。白い小花が開くとほんのりピンクがかってかわいいもんです。溝蕎麦に隠れるようにトノサマガエルがいるのが見えました。冬支度なんでしょうか。

    1. 江戸川でも見られますか。
      水辺はいいですね。いろんな動植物もいて。
      これからの時期、今年生まれでテリトリーがまだ持てないカワセミが餌を求めて「大河」に出てきます。
      風が冷たくなってもそんな楽しみがあるから飽きないです。

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