観光地の日常空間

大鴟尾に烏睦める秋日かな

大仏殿大屋根に烏が群れている。

それも、賑やかにだ。追ったり追われたりしながら、まるでカップルや兄弟姉妹が睦み合うようにしてあの大きな鴟尾のある屋根で秋の日を楽しんでいるかのように。

南大門から大仏殿入り口にかけては観光客でごったがやしているが、ちょっと横に廻れば小春日の、短い日が傾く前の、ゆったりした時間が流れていて、大屋根のこんな光景もゆっくり眺めることができる。
ここから戒壇院へと下るエリアは、外国人や日本人観光客も少なく、東大寺幼稚園の迎えに保護者が来るときなどは日常の空気が流れているようにも思える。

東大寺を別の角度から楽しめるコースでお奨めである。

“観光地の日常空間” への4件の返信

  1.  そうですよね。大観光地にも、そこに日々生活する一般市民がいるわけで、そのなかに少し入り込んでみたい気がします。
     観光地に出かけても、その表面を眺めるだけでは物足りないですね。
    1200年前からの様々の遺産の上に現代人は生きていることを実感したいものです。

    1. こういう環境で生活していることを誇りに思っている人もいれば、逆に近すぎてそのありがたみに気がつかないということもよくありますね。
      どちらかと言えば、後者の方が多いわけで、全国どこにいても今住んでいる場所もよく見れば「ええとこ」だと思う方が幸せになれると思うんですがねえ。

  2. 同じ烏でも東大寺の屋根にくつろいでいる烏は特別に見えますね。
    烏の群れは人間の群れをどのように思って眺めているのでしょうね。
    烏に聞いてみたいな~

    我々には非日常の空間でも住む人々にとっては普通の時間が流れていることをすっかり忘れるところでした。

    1. 観光客が残してくれるのが食料になったりするんでしょうか。若草山、三笠山も近いし、東大寺の烏は悠然とさえしているように見えてきます。大仏殿の屋根などとても高くて、そこにいる烏は人間界とは遠い存在です。

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