殻割って木の実身を剥ぐ雨水かな
団栗の殻が破れてきた。
殻を割って青々した身がむきだしになってきたのが目立つようになってきた。自ら殻を割るくらいだから、鹿苑に持っていきたいほどおびただしい転がっていたのが、いっせいに活動し始め、いよいよ動き出そうということか。
今日のような柔らかい春の雨にもうながされ、やがて芽、根を出して自分の場所を確保する戦いが始まるのだ。来月末頃には双葉が出揃っているかもしれない。とくに、公園の樹木でも椎の木の実に分がありそうだ。というのは、椎の木の根元は落葉が積もっていることが多く、木の実の発芽、成長には適しているからだ。
枝の鳥を探しながら歩くのももちろん悪くないが、これからは足許にも注意しながら行くとしよう。
木々にも足許にも確実に春の気配が漂うこの頃。
雨こそ降りはしなかったがこれからの雨は成長を促す慈雨なのかもしれない。
大宣伝の映画「空海」を観た。ほぼ満席に近い観客席。
妖怪物語のような奇異を感じ文学、芸術、宗教性などこれっぽっちも感じられない。期待したのが間違いの元。
原作者の夢、枕、獏を見ているような錯覚を起こした。
一本目に見た「招かれざる客」が良すぎたから余計に期待外れ。
シドニー・ポワチエが知的で素敵だった。
安倍晴明の映画もCGか何だか使ったりして荒唐無稽だったような。同じような趣向ですかね。
司馬さんの「空海の風景」を読み始めたがまだ序章、空海の出自の所で比べるべくもないが全く異質なものである事は確かのようだ。
千年に一人いるかいないかの異才でしょうね。