命日

浪速から雪つれてくる雨水かな

今日は二十四節季の雨水だとか。

雪が雨に変わるころだというがどっこい、今頃になって雪が降るような変な陽気だ。朝には外の水栓も凍りついていた。今年は三回目だ。先日まで4月の陽気が連続していたことを思えば、今年もまた天気にほんろうされることになるにちがいない。
八年前のこの日黒猫ほだかが亡くなったのも雪がつらつく寒い日であった。
越してまもない頃で、行きつけの動物病院もまだ決まっていなかったので雪の中をいろいろ探した記憶がよみがえってくる。朝に倒れそのままクリニックで腕のなかで静かに息をひきとる夕方まで、短い別れを惜しむ暇なく終わった一日であった。

双葉へ

殻割って木の実身を剥ぐ雨水かな

団栗の殻が破れてきた。

殻を割って青々した身がむきだしになってきたのが目立つようになってきた。自ら殻を割るくらいだから、鹿苑に持っていきたいほどおびただしい転がっていたのが、いっせいに活動し始め、いよいよ動き出そうということか。
今日のような柔らかい春の雨にもうながされ、やがて芽、根を出して自分の場所を確保する戦いが始まるのだ。来月末頃には双葉が出揃っているかもしれない。とくに、公園の樹木でも椎の木の実に分がありそうだ。というのは、椎の木の根元は落葉が積もっていることが多く、木の実の発芽、成長には適しているからだ。
枝の鳥を探しながら歩くのももちろん悪くないが、これからは足許にも注意しながら行くとしよう。

展望台

のっぽビルオープンを待つ雨水かな

この土曜日に阿倍野にオープンするデパートが記者公開されたそうな。

さらに、来月7日にはこのビルの展望台含めた全体が「グランドオープン」するという。今近鉄電車に乗ると各車両にはこのグランドオープン広告が吊られたり、張られたりしていてムードを盛り上げている。
折しも消費マインドが上向いてときでもあり、関係者はそれを追い風に一気にアベノを全国区にしたいところであろう。

一方、私は高いところがやや苦手なせいか、スカイツリーとかランドマークとか、この手の話には全く心が動くところがないんだけど、今回はまだよく知らない大阪や関西を高いところから眺めてみるのも一興かな、などと思ったりはしている。しているものの、やはり大変な行列に並ぶ苦行を考えるとその気も失せて結局一度も登ることはないのだろうけども。

温かい雨

菜園の土を起こす日雨水かな

節気のひとつ、雨水はそれまでの雪に代わって雨が降るようになる変わり目で、いよいよ農耕の準備に入ることができるとされた。 
今年の雨水は幸いにも晴れて、ほだかの弔いには穏やかな日だったが、今日ようやく待望の温かい雨が降った。まことに自然は規則正しく回っていると感心するばかりである。