青海苔の岸辺に懸かる四つ手網
あをさと青海苔。
恥ずかしながら兼題「青海苔」が出される前は区別あろうとは思わなかった。
あをさは岩礁につく海苔で、青海苔は河口などに生える糸状の海苔。
「あをさ」は冬の季語で、「青海苔」は春の季語。
俳句を初めて詠んだ城ヶ島で見たのはあをさであった。洗濯岩に汐がひいたところを老婆が掻き取っていたのを思い出す。
ところで、紀州の湯浅は醤醢の町として知られるが、その河口には青海苔が揺れそれを縫うようにして白魚が遡る。実際にこの目で見たことはないのだが、青々とした海苔の上をあのか細い白魚が上ってゆくさまが手にとるように目に浮かぶ。かつては「ほまち」と言って老婆などが日銭稼ぎみたいに青海苔を採っていたらしいが、今ではだれも採る人などなく生うにまかせてあるというのはさびしい。
私も違いはよくわからないのですが大まかにあの板状の寿司海苔の原料が青海苔だと思っていました。
あおさは三重県の特産物でよくニュースなどで報道されますよね。
この句の光景は現実には見たことがなくてもまさに映像が浮かび一度見て見たいと思わせますね。
そして白と青のコントラストが印象的でとても素敵です。
青海苔はお好み焼き、焼きそばにふりかけたりするタイプ、本物は高いのでなかにも混ぜ物もあるとか。
あをさの味噌汁は和布より繊細で好きです。
パソコンの調子が悪く、久しぶりです。
「青海苔の岸辺に懸かる四つ手網」
解説文が好いですねぇ。後半に、突然、”紀州の湯浅”が出てきましたね。住金の海南(鋼管)製鉄所は中国向けにほぼ特化した工場で、80年代には数えないぐらい訪れました。その海南のすぐ南に湯浅があり、魚釣りの基地、いつか行ってみたい港町でした。南紀の春って輝くようで好いですねぇ。
湯浅は古くから金山寺味噌の産地。偶然発見されたその副産物が醤油だったわけで、これが銚子など全国各地に伝わったということです。
どんな町並みか是非カメラ片手にぶらつきたいものです。