しぐれ煮東西

けふの潮けふの風聞け蜆舟
船縁をてこに五体の蜆搔
転がして揺すつてみせて蜆選る

宍道湖の蜆をいただいた。

と言ってもしぐれ煮だが。
これがことのほか旨い。
煮てみればこんなに小さな身に旨さがぎっしりとつまっており、ほんの少し茶碗にのせただけで甘い匂いが食欲を誘う。
浅蜊のしぐれ煮として桑名が有名だがあれはやたら塩辛くお茶漬けでなくては喉を通らないが、これは逆に甘くさえ感じるくらいで蜆の地味な味を十分補ってあまりある旨さというべきか、お茶漬けで流し込んでしまうには惜しい味なのである。
いまや資源的にも貴重な蜆となっているので宍道湖のものなど簡単に手に入らないが、こうして保存のきく食品として流通されるのはありがたいことである。

“しぐれ煮東西” への4件の返信

  1. 宍道湖の蜆は有名ですね、食べたことがないですがきっと高価なものなんでしょうね。
    近頃、蜆やアサリなどが採れなくなりました。加えてサンマ、鯖など大衆魚も獲れなくなったのはやはり温暖化のせいでしょうか?
    潮干狩りが大好きで毎年シーズンを楽しみにしていたのがもうここ5、6年いってない。
    先日潮干狩りに行った人から大ぶりのアサリをいただいたのでどこで採れたのか聞いたら渥美半島まで行ったとの事、だんだんアサリが遠くなっていく。

    1. 他に十三湖の蜆が有名ですが、実は津高校裏の川でも蜆がとれたんですよ。こんなところにと驚いたのですが、体操帽一杯くらいあっという間にいっぱいになるほど。
      津の海はあちこちで浅蜊とれてみんなでよく出かけたものです。

  2. 宍道湖の蜆をいただいた。

    改めて気づいたのですが,ほだかさんチは、季節ごとの御届け物が多いですね(羨ましい!!)宍道湖のシジミなんて・・・。スーパーで買うシジミは、日持ちさせるため、沙抜きがほどほどで、ウチでもう一度沙抜きしても、ジャリジャリ。すっかり食卓から遠のきました。やはりシジミは関西ですね。

    1. これはお隣からのお裾分けです。帰省のときのお土産などいただくばかりです。
      医学部の先生などは全国の弟子から名産品が一部屋いっぱいになるくらい届くそうですが、この歳では仕事関係は全くないし友人からのいただきものがほとんどです。
      奈良からは胸を張って贈れるものが少なく、肩身が狭い思いをしています。

skyblue へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.