根雪

嫁ぎ来し国を呪へる雪解どき

母の口癖だった。

三月の今ごろになると、雪解けでなにもかもが泥に覆われるかつて暮らしていた北陸の土地を嫌った。新婚当時夫(私にとっては父)の仕事に従って異国にやって来たが、この根雪が解けた泥濘の暮らしを一番嫌った。このことを後年何度聞かされたことか。
昔とちがっていまの北陸には根雪はほぼなく、降ってもすぐに解けてしまうらしいので雪解けに難儀するということはもうないはずであろうが。
私の生まれたその日は大変な大雪であったそうな。

“根雪” への4件の返信

  1. 根雪とは無縁の地で生まれ暮らしたから雪国の生活の大変さは知る由もない。
    温暖の暮らしは性格ものんべんだらりのような気がする。

    1. 雪に閉じこめられると秋田湯沢など、肌白の美人が多くなるとか。秋田美人のDNA調査で日本人に見られるものとは異質のものが見られたとのこと。シベリア系渡来人?など古代の列島民族の歴史という途方もなく広がる空想を楽しんでます。

  2. 嫁ぎ来し国を呪へる雪解どき

    こういう句、好きです。雪解け時の泥濘を「憂える」でもなく「怯える」でもなく「呪える」となじるところが、とても人間ぽくって好いですね。今年は、桜が咲き始めるかと思えば、どっさり雪がふったり・・。関東では千葉を中心に地震が頻発したり・・。大きな天候異変が起きないか心配しています。

    1. 毎日のように震度4とか5とか。それも全国各地からですから、沸点が近いというか、危機がそこまで来ている不気味さを感じます。天気もおかしいし、食糧危機にもつながりかねない災害が心配ですしね。

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