腹這へるカメラアングル蕗の薹
梅と椿が咲き誇っている華楽園に入ってすぐ左の足元に、蕗の薹がいくつか顔を出しているのを見つけた。
柵も何もしてなくて、気がつかないでいると踏みつけてしまうような場所だったが、見学客の大半は入って正面の唐風呂やその手前の満開の山茱萸には目が釘つけになるのが幸いしてか、どれもが無事に頭をもたげている。
帰り際、その気づかないでいれば見落としそうな蕗の薹を、腹這いになってカメラに写し取ろうというアマチュアカメラ愛好家がいた。句会では、この蕗の薹のことを話題に持ち出したり詠んだものがいなかったので、ここの蕗の薹に気づいたのはもしかしたら僕だけだったのかもしれない。
同じ場所に行っても見るもの、心に残るものは人それぞれですよね。
吟行句会では漠然と見ていてはいけないのでしょうね。集中力や細部を見る目が必要なんでしょうね。
どうしても華やかなものに一瞬目がいってしまうものですが・・
正味1時間くらいの見学ですからね。実際には短すぎます。慌ただしく見学して1時間のうちに句にする。それで一発勝負ですから難しいもんです。掲句にしても翌日家で詠んだものです。