風来たる枝より揺るる桐の花
桐の花あたりを払ふ高さかな
抜きん出て雑木見下ろす桐の花
櫛の歯の欠けるごと落つ桐の花
竹とんぼ舞ふやうに落つ桐の花
落ちやうの落下傘めき桐の花
ラッパ口下に舞落つ桐の花
その形の落ちて知るなり桐の花
桐の花落つるやすでに萎えゐたり
昨日二上の麓を走らせていると、遠目にも桐の花が何本かよく見えた。
用事を済ませた後で、再びその場所に行ってみると二上パークという道の駅があって、その奥の「二上山ふるさと公園」に大きな芝生の丘が広がっており、周囲の雑木林から抜きん出るようにして桐の花が咲いているのだった。
そばまで行って見上げていると、ときどき音もなくハラリと落ちてくるものがある。長さ5、6センチのラッパ型をした桐の花で、その根元のほうを下にしてくるくる回転するように落ちてくるのだった。あらためて木の下を見てみると、すでにかなりの数の花が散り敷いていて、そのどれもが形を維持するのも難しいようにげんなりと萎びている。落花直後のものであってもすでにラッパは閉じられるようになって張りがない。
木の上にかたまって咲いているのを見るだけでは、一つ一つの花がこんなに大きいとは知らなかったし、なにより大変豪華に見えていたのが、いざ落ちてみると意外なほど情けない姿をしているのを知ってその落差の大きさに驚くくらいだ。
桐は昔から葉が落ちるさまに凋落を重ねて見てこられたが、花の落ちるのも負けず落剥の思いを深くするのだった。
風来たる枝より揺るる桐の花
良いですね~ 情景が浮かびます。
落下した花というのは豪華であればあるほど無残な気がしないでもありません。
昔から旧家の庭には桐が植えられていたのを思い出します。
それは娘が嫁ぐ時にはその木で造った桐箪笥を持たせるのだとか。
私は桐の花をみると南アフリカ プレトリアのジャカランダを思い出します。
もう一つは源氏物語の桐壺ですね。
20年足らずで箪笥が作れるほど成長するんですかね、桐というのは。
桐というと、私は「五三の桐」のご紋を思い浮かべてしまいます。いかにも秀吉らしく豪華な紋を選んだものです。
竹とんぼが舞うように落ちるのですか、桐の花は。落ちるところを見たことがありませんが、薄紫でさぞきれいでしょうね。
桐の花八句いいですね。このように見たまま、思うまま、つぎつぎに口に出してみるのもいいですね。
最初は2,3しか思い浮かばなかったのですが、ブログを書いていると見た様子がいろいろ整理できてきて、それがそのまま句になった感じです。現地でもやはり2,30分ほど観察していて得られた情報でした。
藤の花の次は桐の花ですか。まさに詠まれているように咲いてますね。色も藤と桐よく似ています。これぞ「紫のゆかり」であります。
「壺」。桐の花弁はまさに壺のようにラッパの形をしていました。藤にほんの少し遅れて桐の花。華やかさにおいて、二つともゴールデンウィークの紫の花の代表選手みたいですね。