行くもの残るもの

引鴨の水脈を重ねる番かな
水脈とけて番の鴨の引く構え

平城京跡は野鳥観察の聖地である。

一歩足を入れた途端雲雀の声が聞こえるが、敷地が広すぎて一体どこで鳴いているのかさっぱり検討はつかない。さらに中へ入ってゆくと、大砲のような望遠鏡を抱えた人たちが大きな木を指してシャッターチャンスをうかがっている。どうやら葉隠れにアリスイがいるらしいが老眼ではよく見ない。
一行と離れて大極殿へ。拝観料など取らないのがいい。白虎の方向に生駒、青竜の方向には三笠山がよく見えるが朱雀の方向にある吉野の山は霞でよく見えない。

玄武の方角、佐紀の辺りは古墳が散在しているが、同時に大小の池が多い。そろそろ鴨の帰る頃だから確認に行ってみると、はたして帰る準備と思われる番の鴨たちが水脈を引いているのが散見された。あと一ヶ月もすると大方の水鳥たちは姿を消す。野鳥観察会も帰る鳥の観察に忙しいシーズンである。

“行くもの残るもの” への4件の返信

  1. 帰る鳥もあれば残るのもいるのですね。
    鴨が少なくなると川や池の賑わいもなくなって寂しいですね。

    東(青龍)西(白虎)南(朱雀)北(玄武)
    こういう言い方、本当に良いですね。大好きです。
    さらに東は色に例えれば青で春(東宮、春宮)陽が登る意。
    西は白で陽が沈む秋の例え。南は赤で夏、北は黒で冬。
    そしてこれに十二支を時計の針に合わせれば方位と時刻も解る。
    これを知った時は目から鱗でした。

    1. たまたま大極殿の内部で四神を使った説明がありましたが、平城京は四方の山それぞれが守護神のように思えました。ほんとに何もないので広々として当時の規模をしのばせますね。

  2. 平城京跡、広大なところのようですね。アリスイなんて聞いたこともありませんでした。野鳥の宝庫なんですね。5月に1週間ほど奈良を回ることで計画してます。平城京跡も行かなくっちゃね。

    今日はご案内いただいた「飛鳥・藤原の魅力」講演会@明治大学に行ってきます。春爛漫です。

    1. アリスイは文字通り蟻を好んで食べるようです。私も初めて知りました。
      5月の奈良はいいですよ。長谷寺の牡丹、春日大社萬葉植物園の藤が最高です。お邪魔でなければアシ代わりにお使いください、ご案内させていただきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください