古木の風格

樹脂埋めし洞の古木に蘖ゆる

佐保川堤の桜というのは大変古い歴史があって、幕末に奈良奉行が植えたのが始まりだとされる。

そのうちの数本がまだ健在で、多くの支柱に支えられて堤に覆いかぶさるように咲いているものがある。
なかには、樹脂の修復跡がなまなましい古木もあって、その根元からは若い枝が伸びたり、蘖さえ吹き出している。
その蘖にも、枝に咲くものとなんら遜色ない形や色の花がびっしりついている。
老いてなお蘖を伸ばそうとする生命力。古木の風格、ここにあり。

“古木の風格” への2件の返信

  1. 支柱で支えるくらいならともかく樹脂を使っての修復(サポート)ですか。まさに人間と自然とのコラボですね。それも生命力あってのこと。人体の修復(医療行為)にも同じことが言えるんでしょうね。

    1. 私などは「ステント」で命永らえています。

      この川路某という奉行は、下級武士の生まれですが勘定奉行、外国奉行まで出世した傑物で、人柄も大変慕われたそうです。興福寺から猿沢池に降りる階段横に、「桜も楓も 歳月が 経てば枯れるが、後世の人が 植えてくれるだろう。そうすれば 今日の遊観の楽しみは百年の後までも 変わらない。それは 後世の人も 私も 望むところだ。」という趣旨の「植桜楓の碑( おうふうをうえるのひ )」が建っています。
      奉行の意を酌んだ人たちがその後も大事に守ってきたということでしょう。

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