つくばねの羽根生え初めて宮涼し
衝羽根の実というのを初めて見た。
無患子の実が追羽根の玉となるのに対し,実自身が4枚の羽根をもった衝羽根の形をしているのである。大河ドラマのタイトルバックに用いられているように、秋になると枝から離れてヘリコプターのように空を舞う。
丹生川上神社の境内に茨木和生(運河主宰)の句碑「こっぽりの子が衝羽根の実を拾ふ」があり、そこから顔を上げると衝羽根の実をつける木があった。といっても、宿り木であるらしいのだが。
樹齢千年を越えようかという大木の神杉もあり、川音も聞こえてくる宮を吹く風はすこぶる涼しい。
あらためてもう一度ゆっくり来てみたいと思った。
無患子の実は拾ったことがありますが衝羽根は見たことがありません。
大河ドラマの空飛ぶ羽がそうでしたか、私はてっきりモミジの竹とんぼかと思っていました。
樹齢千年の大杉といえば我が故郷の山、矢頭山の中宮にも直径約2.7m、樹高約40m、樹齢は数百年~千数百年とも言われる大杉があります。
矢頭山を源流とする清流が夏でもひんやりと涼風を運んでくれます。
でも私が子どもの頃に比べ水量がずいぶん減ったような気がします。
清流がそばを流れているというのは最高の贅沢だと思いました。涼風はもちろん、瀬の音、葉擦れの音、微妙な波長の音がαかβか知りませんが、脳波にも作用して心を妙に落ち着けるものがあって。
水量が減るというのは、上流の環境が変化しているということかも。山の手入れも大事ですね。
吉野の杉林も間伐されなくてずいぶん荒れているのを目撃しました。あれだけ広大な山を維持するというのは実は大変なことなんですね。下手に植林などして山の生態を変えてしまっては、元に戻すことも大変なこと。天川村、東吉野村の山間部を訪ねてそんな感想をもちました。