恋の道具

ハンカチにおとな感じる少女かな

少年の頃、ちらと見たハンカチにフリルがついていた。

周囲にはそのようなハンカチを使う人は皆無だったので、いままで同級生としか思わなかった人が急に大人びてみえた。
汗じみた額を拭う仕草は晩生の少年をうろたえさせるには十分で、以来彼女は一歩も二歩もさきゆく大人として眩しい存在となった。
まさにハンカチは恋の道具となったのである。

“恋の道具” への2件の返信

  1. えっ!!ちょっと意外。うぶだったのですね~
    少年の目から見た少女のハンカチのフリルは初恋の匂いがします。
    今こんなナイーブな少年は映像の世界でもめったにお目にかかれない気がします。

    年頃の女の子にとってハンカチはちょっとした小道具、昔は今のようなお洒落なハンカチーフなどなくもっぱら実用的なものが多かったですね。
    今はバッグに入れておくだけの飾り物からブランド品、実用的でもかなりお洒落な感じのものまでデパートのハンカチ売り場は百花繚乱の花畑のようですよ。

    1. 夏は恋の思い出。白いパラソル。白いワンピース。
      どれも制服にはない洋装で、晩生少年には強烈なパンチです。
      男はと言えば、いがぐり頭から完全に抜け出てない時代ですからね。

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