死を身近に

朝掘の筍提げし男はも

句友の訃報が信じられない。

やあ、と言いながら農耕で日焼けした顔が句座につく。高取町の祭りの重役を務め、カラオケ仲間には毎月新作を披露。
今頃は筍、秋ならば里芋やサツマイモを句友に分けるため車に積んでくる。
そんな彼も、1年半ほど前から厄介な肺炎にかかり何度か入退院を繰り返していたが、ふだんの元気な姿が頭にあるのでみんなは句会に戻ってくるのを信じて疑わなかったのである。
それだけに突然の報に一同のショックの度合いは大きい。
句座の平均年齢が高いこともあって、別れはいつでもあるものだということを現実に突きつけられ茫然とするのみである。

“死を身近に” への1件の返信

  1. 別れは突然にやってくる。本当にそうですね。
    「生老病死」と言う言葉が最近とても身近に感じられるようになっています。

    昨日図書館から待ちに待った本がが届いているとのメールが入った。
    それは私が最も好きな小説家、宮本輝さんの「流転の海」第9部である。
    自らの父がモデルの自伝的大河小説で執筆から37年の歳月を要した小説は父の死で完結した。
    先ほど読み終えたばかりで否が応でも生老病死を意識せずにはいられない。
    いいようのない深い感慨に包まれている。輝さんありがとう、そしてお疲れ様。

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