元山上

勸請縄古りて山居の夏の果
草つるみ勸請縄の夏果つる

雨風にさらされて古びた勸請縄に夏草が這い上っている。

平群谷の渓谷に勸請縄がかかっている。
これは生駒方面へ向かう電車が元山上口駅を出てしばらく行った右側に一瞬だけ見えるシーンだから、注意してないとほとんど見逃してしまう。
元山上とは、ここから生駒山地へのぼった先の「千光寺」の別名で、役行者が大峰山(山上ヶ岳)を開く前に修行したことから呼ばれる。さらに、ここは行者の母が修行したことから、女人禁制の大峰山に比し「女人山上」とも呼ばれている。いつかは訪れたいところである。
このあたり、いかにも断層帯が走っているようで、谷が切れ込んでは独特の景観をなしている。
その渓谷の底の集落の入り口なのか出口なのかに勸請縄がかかっているのである。古くからひっそりとした暮らしが営まれてきたのであろう。
これより秋が深まると、紅葉が美しい里である。

“元山上” への2件の返信

  1. 貴ブログでは時々勸請縄が出てきますがこれは関西独特のものでしょうか?
    当地で勸請縄らしきものは見たことがありません。

    女人山上と言うことは男子禁制?

    1. よその府県は知りませんが、盆地の周辺部、山地など古い集落にかなり残っているようです。
      邪悪、災厄から集落を守る結界としての役割をもっています。
      元山上は男子オーケーです。吟行地候補にしたいところですが、年寄集団ではとても歩いてたどりつけないところです。

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