明易のスマホに顔の照らさるる
夜中のメールなどで目が覚まされることがある。
一体何なんだとスマホを開けてみると、寝ぼけ眼には眩しくてたまらない。
緊急性がない内容だといらだたしくて電源を切ってしまうこともあったり。
スマホ、あるいはもっと昔のガラパゴス携帯以来、当方の事情などいっさい関知せず一方的な呼び出しを受けることがふえて大迷惑である。かと言って、いまどきの緊急警報などは万が一に備えて受けるようにしておきたいという欲もあって、その兼ね合いが難しいところでもある。
黒電話の頃は、夜にはよそさまには電話してはいけないという社会の暗黙のルールがあり、私生活の安寧は守られていたのだが、携帯時代になってどこでもいつでも受話器が鳴るのにはいささか閉口である。
私は基本が固定電話。携帯は受信と使い分けていたのだが、世間が携帯中心になってきているのでやむなくつきあうことも多くなった。電話会社の競争で、電話ホーダイというサービスが増えたことも長電話につながったり迷惑なことである。
私は寝室に携帯電話を持ち込まないことにしている。
やたら構わず迷惑メールで安眠を妨げられるからである。
緊急の時は困るがその時はその時と開き直っている。
地震は誰よりも早く感知できる体質なので大丈夫と高を括っているがこれは危険かもしれない。
でもなるようになると構えている・・・
もともと電話は嫌いだから割り切ってしまえばいいんですよね。もしかしてという欲が邪魔しているのかも。
明易のスマホに顔の照らさるる
TVドラマを見ていると、暗闇を手探りで歩く時、スマホを懐中電灯代わりに足元を照らすシーンがよくあります。この句、「夜明けが迫る暗闇の中でスマホの明かりで顔が照らされる」なんて、とても不気味。
もしも夜中に目が覚めて、隣に寝ているやつがこれ状態だと不気味ですね(笑)
明易のスマホに顔の照らさるる
「明易の」
読み方はおろか、意味もさっぱり分からない。ググってみれば
これそのものが季語なんですね。「科学現象としては短夜と同じだが、短夜は夜が短いことをいうのに対して、明易は、明け急ぐ夜を嘆く思いが増さる。」とか。
70年余りも生きてきて、いまだ知らないことばかり。
結果、昨日は高齢者講習と相成りました。
4枚の絵×4=16枚を記憶して、後に書き出すって結構難しい。だがご安心有れ。
100点満点で、35点以上あれば合格。9人受験しましたが全員合格でした。
昨年高齢者検定無事通過しましたが、あれ、16のジャンルに各一枚となっているので、ジャンルさえ覚えていけば十中八九具体的な絵が浮かんでくるものです。4グループ全部を事細かく覚える受験対策は不要ですね。試験となると目の色が変わる悲しき習性です。
「明易し」はもう目が覚めてしまって寝られない、というニュアンスを含むので、読む人と共有するよすがとなります。
明け方のスマホで起こされて恨めしいという思いが背景にあると読んでいただければ作者としては成功です。季語の力です。