山は動くか

強者が一夜の夢の明易し

機を見るに敏な御仁であろう。

同調するもの少なく形勢不利と見るや、一日も経たずして兵を引いたとか。
こちらは情報がまったく入らないから、この先どうなることやらなかなか寝つかれない夜だった。
もしかしればこれがかの大統領の終わりの始まりかもしれず、これからも目は離せない。
民衆が反乱軍を歓迎したという報もあり、とくに戦線に近い南部の国民の間には厭戦気分が広がっているのかもしれない。
選挙も近くなってきて成果を上げようともがけば山が動くこともあろう。

当方事情にお構いなく

明易のスマホに顔の照らさるる

夜中のメールなどで目が覚まされることがある。

一体何なんだとスマホを開けてみると、寝ぼけ眼には眩しくてたまらない。
緊急性がない内容だといらだたしくて電源を切ってしまうこともあったり。
スマホ、あるいはもっと昔のガラパゴス携帯以来、当方の事情などいっさい関知せず一方的な呼び出しを受けることがふえて大迷惑である。かと言って、いまどきの緊急警報などは万が一に備えて受けるようにしておきたいという欲もあって、その兼ね合いが難しいところでもある。
黒電話の頃は、夜にはよそさまには電話してはいけないという社会の暗黙のルールがあり、私生活の安寧は守られていたのだが、携帯時代になってどこでもいつでも受話器が鳴るのにはいささか閉口である。
私は基本が固定電話。携帯は受信と使い分けていたのだが、世間が携帯中心になってきているのでやむなくつきあうことも多くなった。電話会社の競争で、電話ホーダイというサービスが増えたことも長電話につながったり迷惑なことである。

一時間不足

明易やスマホに灯る震度四

早い時間に目覚めたら、スマホにバナーと呼ばれる表示がある。

マナーモードにしているから音には気づかなかったが、また夜中にあった地震速報である。
万が一を考え災害情報関連のアプリをいれてあるので、アラートはありがたいが、毎日のようにあると狼少年じゃないが慣れが恐ろしい。
さらに五時頃目覚めて具合が悪いのが、それまでおとなしくしていた猫である。もともと朝の早い動物だから、もう抑えがきかず活動開始して餌をねだる、でなければ暴れるぞ、である。猫のトリックオアトリート。
あと一時間寝られるとふとんに潜ってもそうはさせじといろいろ仕掛けてくる。今日もまた睡眠が一時間たりなくなった。

悪循環

愛称で呼びあふ夢に明易し

昼間の活動が足りてないせいか何度も目覚める。

その直前は何か脈絡のない内容だったり、懐かしい友の夢を見たりする。
いったんこの悪循環にはまるとなかなか抜け出せないものだ。
当たり前だが運動したり散歩したりしなくちゃと思うが、暑さというか、日射の強さに腰砕けになってしまうのである。

声に出して読もう

おそまきに耽る古典や明易し

2年かけて源氏物語全巻読破するプロジェクトだという。

7月から始まる俳句仲間sassa君の「源氏物語 道しるべ」の開講準備もいよいよラストステージ。
これにしたがえば、いつのまにかあの長編の最後までを原文で味わっているという、まことにありがたい講義なのだ。昔、古文は苦手だったが、還暦をとっくにすぎての古典挑戦も悪くない。なにしろ時間があるのだから。
まずは最初3ヵ月はウォーミングアップ期間で肩慣らし。やがて源氏物語とも切り離せない万葉集、百人一首なども逍遥しながら進めていくと、より立体的な源氏物語の理解がすすむという段取りになってるらしい。

教科書としてまずはお奨めの「古典セレクション 源氏物語」(小学館)の桐壺~花散里に相当する1~3巻を手に入れた。

いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に。。。。

で始まる冒頭部分を声に出して読んでみると、加賀美アナウンサーの名調子が思い出されて名文とは耳にも心地よいものだということがよく分かる。
ただ、注釈を引きながら読むのでどうしてもスピードが伴わないし、本を読み出すとつい夜更かしになってしまう傾向が強いので、うっかりすると夜が明けてしまうということになりかねないので要注意だ。