晩生

合歓咲いて峠いくつも伊賀国

つくづく合歓の花の盆地だと思う。

伊賀の峠はどこもいま合歓の花盛りだ。
翁が象潟で詠んだ、
象潟や雨に西施がねぶの花 芭蕉
が合歓の花の代表句である、合歓の花の描写がいっさいなくて唐突に出てくる花が実景かどうか知らないが、単に「ねぶ」に眠るをかけたかっただけじゃないのかと推測している。奥の細道は相当な部分が創作だから、まんざら外れではないだろう。
また、伊賀で身近であった合歓の花が伏線になっていたとも言えるのではないかとも思える。
ところで、合歓の花の盛りを過ぎる頃に豆を蒔けと古くから言われてきた。
この豆とは大豆のことである。日本人は枝豆が好きだから早生タイプの豆を莢の若いうちに収穫するが、枝豆用は4月ごろ蒔くものである。
短日性が強い丹波の黒豆も7月中旬ごろが植えごろだそうである。これは、晩生。

“晩生” への4件の返信

  1. 合歓の花のあの淡いピンクと優しげな花の形が好きです。
       手に持ちて眠れ眠れと揺らす葉は幼き頃の道草の友

    1. 名阪国道を走っていると合歓の花がやたら目立ちます。梅雨が明けるのも遠くないなと思える瞬間です。
      美人の長い睫を思わせる花がきれいですね。

  2. 合歓咲いて峠いくつも伊賀国

    ねむの木って言えば、私にとっては、『芭蕉の、美智子さんの、吉永小百合のソレ』ではなく、学生時代、山で歌ったと言うか聴かされまくった歌です。 → ♪ねむの木のその下で ほろほろと泣いた人 風もない夕暮れに ゆれていた黒髪よ♪ (今でも5番まで全部歌えます)
    でも、正直なところ、遠目で見るとチリ紙みたいに見える花。それが、かくも持て囃されるのは、「合歓・ねむ」と言うNAMINGのせいかなと思ったり・・・。

    1. 山の愛唱歌にあるんですね。そうなると歌声喫茶でも唄われていたでしょうか、記憶にありません。
      童謡、子守歌などに取り上げられて優しいイメージがあるのでしょうね。
      おっしゃるように、花は可憐と言うよりは西洋の付け睫毛みたいですものね。原産は中央アジアみたいな感じで。

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