合歓咲いて峠いくつも伊賀国
つくづく合歓の花の盆地だと思う。
伊賀の峠はどこもいま合歓の花盛りだ。
翁が象潟で詠んだ、
象潟や雨に西施がねぶの花 芭蕉
が合歓の花の代表句である、合歓の花の描写がいっさいなくて唐突に出てくる花が実景かどうか知らないが、単に「ねぶ」に眠るをかけたかっただけじゃないのかと推測している。奥の細道は相当な部分が創作だから、まんざら外れではないだろう。
また、伊賀で身近であった合歓の花が伏線になっていたとも言えるのではないかとも思える。
ところで、合歓の花の盛りを過ぎる頃に豆を蒔けと古くから言われてきた。
この豆とは大豆のことである。日本人は枝豆が好きだから早生タイプの豆を莢の若いうちに収穫するが、枝豆用は4月ごろ蒔くものである。
短日性が強い丹波の黒豆も7月中旬ごろが植えごろだそうである。これは、晩生。